拗らせDKの偏った溺愛
え?ただの…
無事に自己紹介も終わって、あとは係を決めれば今日は終わりです。
でも、この係決めが、毎回なかなか決まらないんですよね…。
特に学園祭の実行委員と体育祭の実行委員を兼任する委員長と副委員長は、誰もがなりたくないのではないでしょうか。
「そ、それでは、各係ですが、自薦他薦などで決まらなければ、最後はジャンケンかあみだで…」
先生はまだ言い終わっていなかったのですが、
「私、委員長は藤原さんがいいと思いまーす!!」
確か、あの人は木下さんです。
自己紹介の時に、私に高村くん派かどうか聞いてきたのは彼女でした。
その木下さんの発言を聞いたクラスの方々が、
「さんせー!!」
「藤原さんがいいでーす」
と、どんどん手を挙げ始めました。
これはマズイです!
このままでは委員長に決まってしまいそうです…!!
でも、私、人前に立って話すとか大の苦手なんです!
慌てて周りを見回すも、綾乃ちゃんがどうしよう、と困惑したような顔をしてこちらを見ているだけで、あとは誰も私のことなんて見ていません。
「センセー!こんなに大勢が推薦してるんだし、決まりでいいんじゃないですかぁ?」
その一言が決め手となってしまい、あっという間に私が委員長に決定してしまったのです。