拗らせDKの偏った溺愛



はぁ〜〜〜


溜息をつくと幸せが逃げる、なんて聞きますが、今は溜息くらいつかなくてはやってられない気持ちです。

仕方ありません。

きっとこのままでは夜になっても決まりませんし、私がビシッとジャンケンなどを提案して決めてしまいましょう!!


カタン


おもむろに席を立って教壇の横まで行き、教室の中を見回すまでは強い気持ちが胸にありました。


でも、教室中からみなさんの視線を集めていることに気づいた途端に体が強張ってしまって…。

心なしか息も苦しくなってきたような気もします。


そういえば、私、人前で話すとか何かするとか…極端に緊張してしまうんでした〜!!


ど、ど、どうすればよかったでしたっけ?

何か言うことを決めていたはずですが、頭が真っ白になってしまって言葉が出てきませんっ!!

とにかく何か話しを…


「えっと、あの、その…」


なかなか話し始めないからでしょう。


「ちょっと〜早くしてよ〜」


「他のクラス帰ってるし…」


そう言われると余計に焦ってしまうのですがっ!


「ふ、副委員長を決め、決めたいと…」


一生懸命に話そうとするのですが、なかなか上手に話せません。


「もういいんじゃね?このクラスは副委員長なしってことでさ〜」


なんと無責任な男子でしょう!?

自分が副委員長になるのが嫌なのかもしれませんが、そんなことが通るわけありません!


「だよねー、委員長と副委員長ってやたらと仕事多いし、仲良くできなかったら最悪だもん」


クスクス笑いながら、さらに無責任発言をする女子。





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