拗らせDKの偏った溺愛



あぁ…そんなに私が人気者の高村くんに助けられたり声をかけられたことが、気に入らないのでしょうか。


あ、違いますね。

その上、助けてくれた彼を平手打ちしたんでした、私…。


さっきも裏庭で、自業自得だと自分自身に言い聞かせたばかりです。


きっとすごく大変だし、泣きたくなることもあるかもしれませが、今年一年、一人で委員長と副委員長の仕事をやるしかありませんね!

この様子だと、もし誰かが副委員長に決まったとしても、協力し合うことができるとは思えません。

実質一人でやることになるのであれば、最初から一人と思っておいた方が、いくらかマシというものです。

それでも名前だけでいいので、一応誰かを副委員長として決めなくては!!


再び拳をギュッと握って息を吸うと、ありったけの力を入れて声を出してみました。


「それでは副委員長を決めたいと思います。ほ、方法は公平にジャンケンで決めたいと思いますので…」


なんとか説明を始めることができたのに、またしてもブーイングが上がって遮られてしまいました。

しかも、


「ふざけんな!誰がやるかよ!」


「委員長だからって調子に乗んなよ」


など、先生の時以上に酷いことを言われています…。


じゃあ、どうすればいいと言うのでしょうか。


さすがの私も泣きたくなってきました。


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