拗らせDKの偏った溺愛
「誰があの地味子と付き合ってるって?」
俺の声がいつもより低かったせいか、女たちの肩がビクッと小さく跳ねた。
「ふざけんなよ?俺にも好みと選ぶ権利があるっつーの」
勘弁してくれ…
最後にそう付け足すと、あからさまにホッとしたような顔をする。
そして質問大会が再開された。
「じゃあ、どうして副委員長引き受けたの?」
「どうしてって…聞かれても…」
ちらっと貴紀を見ると、爽やかな笑顔を浮かべながら
「どうしてか僕も聞きたいなぁ」
なんて言いやがる。
「お前なぁ!」
お前が場を収めるのに副委員長を引き受けろって言ったからだろーが!!
そう返そうとしたのに…
「えー、虎谷くんも知らないんだっ!?」
「ますます気になる。なんで?」
と、なんでなんでの大合唱みたいになりやがった。