拗らせDKの偏った溺愛



「誰があの地味子と付き合ってるって?」


俺の声がいつもより低かったせいか、女たちの肩がビクッと小さく跳ねた。


「ふざけんなよ?俺にも好みと選ぶ権利があるっつーの」


勘弁してくれ…


最後にそう付け足すと、あからさまにホッとしたような顔をする。

そして質問大会が再開された。


「じゃあ、どうして副委員長引き受けたの?」


「どうしてって…聞かれても…」


ちらっと貴紀を見ると、爽やかな笑顔を浮かべながら


「どうしてか僕も聞きたいなぁ」


なんて言いやがる。


「お前なぁ!」


お前が場を収めるのに副委員長を引き受けろって言ったからだろーが!!


そう返そうとしたのに…


「えー、虎谷くんも知らないんだっ!?」


「ますます気になる。なんで?」


と、なんでなんでの大合唱みたいになりやがった。



< 64 / 251 >

この作品をシェア

pagetop