拗らせDKの偏った溺愛
ちらっと貴紀を見ると額に指を当てて
あちゃー
って顔をしてた。
これは貴紀の予想と違うことを俺が言ったときの反応だ。
でもこの際、そんなことはどうでもいい。
コイツらがこの理由をせっかくいい風に受け取ったんだからな。
「ってことでアイツは俺の下僕だから、お前ら勝手にこき使うんじゃねーぞ?」
ちょっと偉そうに言ってやると、
「「「はーい!」」」
良い子の返事みたいなのが返ってきたから、俺は思わずニヤついた。
よしよし、これで俺だけがじっくりアイツのこといじめられるな!
(((竜也くんがニコニコしてるっ!)))
(((超レア!!)))
「はぁ〜、これだから無自覚の天然は困るんだよ…」
「ん?貴紀、なんか言ったか?」
「いいや、何でもないよ。竜也が楽しいなら、多少の面倒ごとは引き受けようかなぁって思ってるだけ」
「なんだよそれ?面倒ごとを引き受けたのは俺だっつーの!」
「はいはい、そうだね。副委員長、頑張ってね」
「他人事だと思いやがって!!」
「はいはい、そうだね」
俺が怒れば怒るほど貴紀はヤル気ない返事になっていくし。
「お前な〜!!」