拗らせDKの偏った溺愛
高村くんは思い出したように方向転換すると、私と綾乃ちゃんがお弁当を挟んで座る机の横まで真っ直ぐに歩いて来ました。
そして私の顔を見てニヤッと笑い…
「よぉ、久しぶり」
…!?
ひぃ〜〜〜!
な、なぜわざわざここに!?
はっ!
あ、挨拶、挨拶をしなくては!!
かなり取り乱してしまいましたが、挨拶は大切です!
「あの、えっと、その、あの、お久しぶりです。ご機嫌はいかがでしょうか?」
「はぁ?」
あわわわわっ!
なにか間違えてしまったようです!
何か気の利いたことを言えればよかったんですが、今の私にはこれが精一杯なんです!!
そ、それより今日は何を言われるんでしょう!?
もしくは何をされるんでしょう!?
悲しいくらい逃げ腰で顔も強張っているのが自分でもわかります。
あぁっ!!
私の事などそのまま忘れ去ってくださってよかったのに…。