拗らせDKの偏った溺愛
ちなみに今日は春休み初日ってことで、みんなで昨日の夜からここに転がり込んでいた。
この溜まり場には、普段から、結構悪いことをしてる奴らも出入りしている。
それもあってか、昨日は夜からドンチャン騒ぎがスタート。
結局明け方まで騒ぎまくって、最後はみんなフラフラだった。
そしてその後はここで雑魚寝っていう不健康さ。
俺も昼前になってやっと起きた。
起きたはいいけど春休みだから学校もないし、他の奴らはまだ寝ていたりダラダラしているから話にならない。
何かする元気がありそうなのは、俺とミツと貴紀、あとは年上の先輩達数人くらいだ。
けど、何かといっても何も思いつかない。
「あーあ、今日も暇だなー」
俺の二度目のボヤキをミツと貴紀はスルーしたけど、代わりに返事してくれた人がいた。
卒業したばかりの金子先輩だ。
眠気は抜けていないかもしれないが、ダルそうではない。
「竜也、そんなに暇なら俺とスリリングなことしてみるか?」
その誘い文句に俺が惹かれないわけがない。
「マジっすか!?」
やや前のめりで食いついた俺を見て、金子先輩は
「おー、東のリュウが食いついたぜ」
と薄く笑った。