拗らせDKの偏った溺愛
次の日の朝、登校途中に綾乃ちゃんが教えてくれました。
「どうやらさ、リュウくんがクラスの子達に言ってくれたみたいだよ?美咲のことをこれ以上いじめるな的なことを」
「そうなんですか!?」
”とことんいじめてやる”と言った張本人が”いじめるな”的なことを…?
ものすご〜〜〜く意外です。
「それに、美咲が思った通り、美咲はリュウくんの下僕ってことになってるらしいよ」
げ、下僕ときましたか…。
パシリなどという可愛いレベルではないのですね。
しかし、なるほど、そちらは納得です。
「だからリュウくんが美咲だけに声をかけても、クラスの女子達がなにも言わなかったんだねぇ」
綾乃ちゃんも納得顔なので、
「それは私が高村くんにとってただの下僕であって、女子というカテゴリーではないという認識ということですね?」
確認のためにそう言うと、
「残念なことに、そういうことなんだろうね。でなきゃ、女子からの嫉妬がすごそうだもん」
綾乃ちゃんがなにを残念がっているのかわかりませんが、ものすごく残念そうに言われてしまいました。
でも、私としては気になっていたことがわかってスッキリしました。
「始業式の次の日から皆さんが手のひらを返したように普通になられたのが不思議で仕方なかったのですが、これでスッキリしました!」
「ちぇ〜、リュウくんってばてっきり美咲のこと気に入ってるんだと思ってたのに…」