拗らせDKの偏った溺愛
「あぁ、まぁな…」
渋々だけど、一応認めた。
貴紀に言われるがままに学校に行くのはちょっと癪に触るけど。
思い出したばかりの美咲のことが気になったから仕方なく、だ。
俺がいない間に勝手にクラスのやつらにいじめられたりしてねーだろーな。
「じゃあ、今から学校行こっか」
少し嬉しそうな顔をして立ち上がった貴紀が言ったけど。
「もう昼前だけどな?」
最後の抵抗?らしきものをする俺。
そんな俺を流し目でチラッと見た貴紀は無言。
「はぁ〜、わかったよ、わかりました!このまま家にいても何もすることないしな!行ってやるよ!!」
俺の心の中を全部見透かされたような気がして、半ばヤケ気味に言って立ち上がった。
「そうそう、素直が一番だよ?」
まるで兄貴が弟に言うみたいに言った貴紀は、男の俺が見ても惚れ惚れするくらい爽やかで綺麗な笑顔だった。