拗らせDKの偏った溺愛
俺の下僕だと宣言したからには実行しとかないとな。
ってことで早速、昼飯を買いにいかせたけど他にこれといって思いつかねー。
溜まり場ならまだしも、学校で下僕が必要だと思うことがあんまりないんだよなー。
しばらくしたら美咲が両手いっぱいにパンと飲み物を抱えて帰ってきた。
「お、お待たせしました!売店にパンしか残ってなくて…これで足りますか?」
走ったのか、少し息が上がった状態で俺の机に買ってきたものを並べていく。
同級生に下僕にされてるっつーのに、なに頑張ってんだか…。
一通り並べ終わった後は、おずおずと俺の顔を伺ってる。
これで俺が文句を言えば、こいつはまた俺のために走るんだろうか…?
そう思うとなんだかたまらない気持ちになった。
「サンキュー。初めてのおつかいにしちゃ上出来じゃね?」
そう言うと、美咲は心底ホッとした顔をした後、俺に財布を返して自分の席へと戻って行った。
「あれ?竜也、こういうお菓子っぽいパン嫌いじゃなかったっけ?」
メロンパンを指さしながら意地悪く笑う貴紀の頭を軽く叩いて黙らせると、並べられたパンに手を伸ばした。
いいんだよ、別に。
目的は俺のために下僕をやらせることにあるんだ。
なんとなく言い訳めいたことを考えながら、メロンパンを頬張った。