拗らせDKの偏った溺愛


〈美咲です〉



あれ以来、高村くんのお昼ご飯を買いに行くのが日課になりました。


私はもちろん、クラスのみなさんも
"藤原美咲=高村くんの下僕"
という認識が定着してきているようです。


その証拠に今日も高村くんのお財布を手に売店に向かって走っていると、


「あ、委員長。今日も竜也さんの昼飯買いに行くのか?竜也さん、焼きそばパンが好きらしいぞ?」


なんて教えてくれたりします。


「ありがとうございます!じゃあ、今日は焼きそばパンを買って来ます!」


なんて会話が男の子とできたり、


「リュウくん、一人暮らしなんだから野菜多めのお弁当とか、パンにするならサラダつけたら?」


という女子力の高さと情報力を活かしたアドバイスをしてくださる女の子がいたり。


最初は同じクラスの人だけだったのが、徐々に他のクラスの人も声をかけてくださるようになりました。


ただ、こういうことがあるたびに改めて高村くんの人気の凄さを実感します。

それ故に、地味生活真っしぐらに生きてきた私としては落ち着かない気持ちになることも増えました。


だって、ほら…





< 88 / 251 >

この作品をシェア

pagetop