拗らせDKの偏った溺愛
体育祭

席替え




<美咲です>


高村くんの下僕という任務をこなすようになってから、数週間が何事もなく過ぎていきました。


高村くんも虎谷くんも当初ほどサボらなくなっていて、例え遅刻しても学校に来ない、という日はないようです。


「絶対に美咲効果だよ!!」


綾乃ちゃんがなにやら興奮気味に言ってますが、高村くんはそんなにお昼ご飯を買いに行くのが面倒だったのでしょうか?

それで学校をサボりがちだったというのなら…。

私がお昼ご飯を買いに行くことで、お二人がきちんと学校に来るのであれば!

これは下僕冥利につきるのでは?


このことを綾乃ちゃんに言うと、ものすご〜く憐れなものを見る目をされてしまったので、もう誰にも言わないことにします。



高村くんは”昼メシ買ってこい”とか”飲み物を買ってこい”とかは言いますが、始業式の日のような、へ・・・変な。


そ、その、キス、とか…。


そういうようなことはもちろん、触れてくるような事は一切なかったので少し安心しました。


というか、油断していた、と言ったほうが正しいかもしれません。


高村君の言っていた”いいこと=いじめてやる=下僕”という考えが、単なる私の思い違いだったということを、嫌でも思い知ることが起こったのです。


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