こんな男に誰がした!
俺は肩透かしをくらった気がした。
でも弥生が正直に話してくれたのだから、こちらも腹を立てずに済ますことにした。
「それじゃ、これからは、真剣に付き合ってくれるんだね。」
「うん。そうしたい。」
弥生は、ちょっと恥ずかしそうに下を向いて答えてくれた。
漸く、二人の気持ちがわかり、俺は、天にも舞い上がりそうだった。
「弥生、そう呼んでもいい?俺のことも、これからは、浩輝と呼んでほしい。」
「わかりました。」
弥生は、緊張気味に敬語で返してきた。
「では、弥生、俺と結婚を約束したお付き合いをしてください。」
「よろしくお願いいたします。」
それからの俺は、行動が早かった。
双方の両親に挨拶をして、正式に結納を交わし、晴れて婚約者となった。
世間に公表するパーティーは、来年の春、俺が、就職をしてからと言うことになった。