こんな男に誰がした!
フランスにて
冬休み、二人でフランスを訪ねていた。
実は、父方の祖母は、フランス人で俺は所謂
クォーターだ。
だからか、背も高いのだろう。
祖父母はリタイアした後、ワイン工場を監督するという立場で、フランスにとどまっている。
祖父が、若い頃、ワインに興味を持ち、フランスに来て出会ったのが、祖母である。
弥生も、以前から、フランスに来たがっていたので、一石二鳥だった。
フランス滞在中は、南フランスにある祖父母宅に宿泊するが、二泊三日で、パリを見に行こうと、思っている。
案の定、祖父母宅では、弥生とは、別々の部屋になっていた。
始めに祖父にワイン工場を案内してもらった。
広大な葡萄畑を見渡せる場所に工場は建てられていた。
家では、祖母にも解るように、主にフランス語で話し、弥生が想像以上にペラペラなのに驚く。
俺は小さい時に、祖母とも暮らしていたから、自然に身に付いた。
弥生と話をしていた祖母が、
「弥生は、フランス語も大丈夫だなんて、とても嬉しいわ。」
婚約のことも喜んでくれたが、弥生のフランス語に感心したようだ。