こんな男に誰がした!
弥生は、祖母からフランスの家庭料理を習い、いつの間にか、本当の孫のように仲良しになっていた。
俺は一人っ子だから、俺たちに生まれてくる子が、唯一の曾孫になる。
祖父母は、早く曾孫に会ってみたいと、俺たちを焦らせた。
俺の計画では、弥生の卒業を待って、結婚したいと考えている。
弥生は、どういう仕事の方法を考えているのだろう。
いずれ話をしなければならない。
自分たちの将来がかかっているのだから。
明日からパリに遊びに行く。
弥生もお土産を買うからと、とても楽しみにしている。
俺は別の意味で、とても楽しみにしていた。
俺は意図的に、パリのホテルをダブルでリザーブしたのだ。
弥生がどう反応するかが、心配だが、嫌がれば、俺は別の部屋を取るつもりだ。
だから、パリにある花園ホテルは、避けておいた。
パリに着き、ホテルに向かった。
フロントでキーを受け取り、俺は覚悟をして弥生に言った。
「部屋は、ダブルを取ってあるけど、それでいい?」
「うん。」
弥生は、小さくうなずいた。
やったぁー!
俺は、心が浮き立つのを押さえられず、部屋に入るとすぐに、弥生を抱きしめた。
「夜までは、待ってね。」
弥生は、真っ赤な顔をして、俺の胸の中で、ささやく。
「わかってるよ。抱きしめるだけ。」
そう答えながら、しばらく抱きしめたままでいた。