こんな男に誰がした!


その夜は、特別な夜になった。

なんといっても、クリスマスイブだ。

俺たちは、ゆっくり過ごしたかったから、シャワーのあと、ホテルのレストランで食事をした。

その後、パリの夜景を見るためにタクシーで街をドライブした。なにしろ、パリの冬は、とんでもなく寒い。タクシーの中と外では大違いだ。


タクシーから見る景色は、どこもイルミネーションで飾られ、夢の世界に紛れ込んだ気になった。

ホテルに帰りつき、部屋に入ると、ホテル側が俺のリクエストに答えてくれ、小さなツリーと、ミルフィーユのケーキ、紅茶セットが置いてあった。

弥生は、嬉しそうな表情で、俺に抱きつき、俺の頬に軽くキスをくれた。

俺は、弥生が欲しくて堪らなかったが、もうひとつのイベントを実行することにした。


二人で、紅茶にケーキを食べ、その後、彼女の前に跪き、彼女を見上げ、

「花園弥生さん、僕は一生貴女を愛すことを誓います。僕と結婚してください。」

俺は、彼女の両手を、自分の両手で包み込んで
プロポーズをした。

弥生は、びっくりした後、静かに涙を流した。

「悲しいの?」

「違う!嬉しいのよ。」

「返事は、もらえないの?」

「もちろん、イエスよ!」

俺は、弥生を腕の中に大切に抱きあげると、ベッドへ運んだ。

「浩輝、部屋の明かりを消して。」

「弥生を見て抱きたいな。」

「だめ。」

「わかったよ。今夜だけだよ。」

俺は、スイッチをオフにした。

外からのイルミネーションの明かりが、ついたり消えたりして、部屋のムードを一層妖しくしてくれる。

その中で、彼女の白い体は、俺を狂わせるのに充分だった。

俺は、初めてのような感覚に陥り、夢中で弥生の中を探り回った。

弥生は、初めこそ、痛がって腰が逃げ出しそうになっていたが、その後は、声に成らない、堪らないくらい色っぽい喘ぎ声を聞かせてくれた。

比べるものではないのだろうが、さやかさんとのセックスの何十倍も、満足した。

心も体も満たされるというのは、こういうことかと、改めて思う。
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