こんな男に誰がした!
俺は、取り敢えず、ホッとした。
弥生の理想の人になりたくてやっていたことが、こんなところで、取り返しのつかない事態に陥ってしまった。
なんのために、頑張ったのか、自分で自分が、情けなくなってくる。
兎に角、責任を取る必要は、なくなった。
あとは、弥生と弥生の両親が、どう思うか、そして、弥生がどういう結論を出してくるか、まだまだ余談は、許さない。
「それなら、カンナさん、事務所側から、否定の記者会見が出せるんだね。」
「それが、すぐにそうできない事情があるのよ。」
「そんな、困るよ。」
俺は、憤慨してカンナさんに詰め寄った。
母も、
「花園さんのこともあるし、浩輝のほうから、否定のコメントは出せないから、そちら側で何とかしてもらうしか、方法がないものね。」
父は、おれに向かって、
「浩輝、男としての責任がいかに大きい問題に繋がるか、わかったな! これからは、同じ間違いを起こさないようにしなければ。」
そして、カンナさんに、
「カンナ、すまないが、早急に、解決してもらいたい。手を貸すことがあれば、言ってくれて構わないから。3月には、婚約式の予定だから。」