こんな男に誰がした!


「私も、そうしてあげたいのは、やまやまなんだけど。」

とカンナさんは、言い淀んでいる。そして、観念したように、

「これは、絶対に他に漏らさないでほしいんだけど……さやかは、子宮がんなの。」

「えっ、子宮がん?」

「それで、産婦人科に行っているのを、誤解されて、記事にされたの。」

俺たちは、カンナさんの様子から、深刻なんだと感じた。

「だから、迷惑を承知で、お願いします。記者会見は、もう少し待ってもらいたいの。がんのステージが確定して、治療方針が決まったら、発表するから。」

「いつまで?」


「1週間から、2週間くらい。その間浩輝がマスコミから追いかけられるかもしれない。あなた、大学も卒業を待つだけでしょ。余り表に出ずに済まないかな?」


「そういうことなら、仕方ない。彼女と関係があったことのリスクだと思って、なんとかするよ。でも、花園側には、事実を話しておきたい。いいよね。」


「まあ、絶対に口外しないと言う条件でね。マスコミにでも漏れたら、また大変だから。」


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