こんな男に誰がした!
弥生の父が、静かに、
「事情は、わかりました。浩輝くんも、男だから、付き合った女性の一人や二人いてもおかしくはない。 まして、弥生とのことがある前に終わったことだしな。」
「本当に申し訳ありません。過去は変えられないので、今は誤るしかできませんが、今後は、絶対に弥生さんを傷つけるようなことはしません。お約束します。」
おれは、深々と頭を下げた。
「そう願いたいね。では、あとは二人で話しなさい。これから、どうするかは、二人の意思に任せる。」
弥生の両親は、立ち上がり、部屋を後にした。
弥生は、俺の前に、座り直してきた。
「弥生、本当にすまなかった。過去のこととは言え、不愉快だよな。できれば、俺を許してほしい。」
俺は、再度頭を下げた。
「浩輝は、彼女を好きだったの?」
「いや、好きではなかった。仕事で知り合って……」
俺は、言葉を続けることができなかった。
好きでもない女を抱いていたことを、弥生はどう思うのか、怖かったのだ。
「私は、浩輝が好きだから、私のすべてを委ねられた。正直、今は、私も捨てられるのでは、と言う不安な気持ちが沸き上がってきているの。」