こんな男に誰がした!
「絶対に捨てることなんて、ない!断言できる。だって、彼女と付き合ったのだって、弥生の理想の和人さんに近づくためだから。 今はとても後悔しているよ。それに、彼女にも酷いことをしたとも思っている。」
「私の理想の和兄さんの件ね。」
「俺が、浅はかだったんだ。だけど、もう間違わないよ。これからは、弥生だけだ。」
「わかったわ。もう一度だけ、浩輝を信じてみる。」
「弥生、ありがとう!」
思わず、弥生の手を引き、抱きしめていた。
両親には、弥生から結論を報告することにした。
俺が、表だって行動するのを控えるためだ。
帰宅して、母親に話すと、安心してくれて、
「よかったわ。でもね、女の立場から一言いえば、今回のことをすんなりと割り切るのは、難しいことだからね。弥生さんを大事にするのよ。」
と、痛い一言を頂いた。
それから、2週間後、カンナさんが約束してくれた通り、記者会見がなされた。
俺との交際についても、仕事上のお付き合いだと、言い切ってくれた。
さやかさんは、子宮をできるだけ温存する方向で、子宮の一部だけ手術で取ることにした。
最近は、若い世代の子宮がんが増加傾向にあるから、がん健診を受けるよい啓蒙になったと、医師会から感謝されたそうだ。