こんな男に誰がした!
今週は、国内にある酒、ワイン、ビール、その他のドリンクの製造工場を回る。
移動して、次の日は見学と研修、また移動と、バス2台で70人と指導担当者10人が一緒に回る。かなりハードで疲れる。
それなりに名前も覚え、親しさも沸いてきた。
同期と言うと、仲間意識も強まり、研修の終わりにはカップルも誕生しそうだ。
同期だけでなく、指導担当者の先輩方を狙っている者もいる。
特に女性では3年目の柏木桜先輩、男性では4年目の佐久間真吾先輩が人気らしい。
二人とも、見た目は抜群にいいし、何といっても爽やかさ満載だ。
最後の日のホテルでのお疲れ様会では、大勢の
合コン状態だった。
俺は、ずっと会社を運営していく良き仲間として、一人一人を観察していた。
俺の側には、大抵木本がいた。
「なあ、木本。」
「なんだよ。」
「お前さあ、木本工場長の親戚?」
ビール工場に行った時、確か工場長の名前が木本だった。
「おいおいと、わかってくるよ。」
はっきり答えない。
「そうか、お互い、これから長い付き合いになりそうだな。」
「そうかもな。」
「木本くん、香取君飲んでる?せっかくなのに、どうして男同士で、いるのよ?」
と村越真由が近づいて来た。
俺は、村越と聞くと、村越デパートを思い出した。もしかして、村越の令嬢かも。