こんな男に誰がした!
婚約式
いよいよ婚約式当日。
俺は、濃いグレーのタキシードに、身を包んでいた。
弥生は、光沢のあるグレー地のワンピースドレス、上には、薄いピンク地のレースのボレロを纏っている。
落ち着きと、可愛らしさが漂う、弥生らしい装いだ。
会社関係は、大城家、花園家、両家の招待だから、人数を絞りこむのが大変だった。
お陰で、友人たちへの御披露目は、後日となった。まあ、その方が、楽しくやれそうだ。
初めに、父親と俺の挨拶があり、俺と弥生は、晴れて世間にも婚約者として、認識された。
挨拶に回っていると、
「婚約おめでとう!彼女を紹介してくださる?」
村越真由が声をかけてきた。
「ありがとう。彼女が婚約者の花園弥生。
弥生、こちらは、同期入社で、村越グループの村越真由さん。」
「今日は来て下さって、ありがとうございます。弥生です。よろしくお願いいたします。」
弥生は、丁寧に頭を下げた。
「こちらこそ。その内、いやでも関わってくるから、よろしくね。」
村越真由は、弥生に対して、横柄な上から目線で言うと、立ち去った。
弥生も戸惑っている様子。
「気にすること、ないよ。この世界、好意的ではない人も沢山いるから。」
俺は、弥生の頬に軽くキスをした。
「浩輝ったら。」
弥生は、少し恥ずかしそうに、俺を睨んでくる。その表情が、また、たまらなく可愛いい。