こんな男に誰がした!
男としての脱皮
彼女の従兄弟で理想の男、花園和人 。
なんと俺の大学の先輩だ。
話したことはないが。
花園和人は、現在4年生。
俺は、彼の人となりの情報を集めることにした。
高校からの友達、久保亮太に聞くと、
「ああ、もちろん知ってる。わりとさ有名だよ。言い寄る女も後を断たないし、派手にパァーと遊ぶらしい。」
「その上女にもてるだけあって、手を出すのも早いらしいぞ。」
と、話に割り込んで来たのは、大学で仲良くなった鈴鹿 要 (かなめ)だ。
そう、花園和人は、俺でさえ名前を聞いたことがあるくらい有名だった。
いつも違う女性を連れていて、何処にいても目立つ存在だ。
社交的で、いつもグループの中心にいる。
なぜ、彼女は、花園和人が理想なのだろうか?
俺からすれば、花園和人は、女の敵?のような気がしなくもない。
それから暫くの間、俺は、花園和人の観察をした。
髪型、服装、話し方など。
俺は、まず、眼鏡をやめコンタクトレンズにした。
髪型を床屋ではなく、美容室で切ってもらった。さすがにカラーリングはしなかったが。
服装をダークな色にして、決してチェック柄は、着ないようにした。
それらはすべて、元モデルで、今はモデル事務所を経営している父親の妹、カンナ叔母さんから、アドバイスを受けた。
カンナ叔母さんと呼ぶと怒らせる。だから、俺は、カンナさんと呼ぶ。
「浩輝も、やっとおしゃれに目覚めたのね。大学デビューできてよかったね。」
と多少からかわれたが、自分でも変わった感、満載だ。