こんな男に誰がした!
片桐さんに、さやかさんを飛行機に乗せて日本へ送り届けるように頼んだ。
成田でカンナさんが、待っていて、さやかさんを手渡した。
俺は、その2日後帰国した。
フランスの最後の夜、祖母が、
「浩輝は、女性に優しすぎるわね。でもね、それは、女性側に期待させてしまうこともあるのよ。優しさの使い方を間違っては駄目よ。
これからも今回と同じようなことが起こるかもしれない。その時、どうするのが、その人のためになるか、しっかり見極めてね。いい人になろうとしてはいけないわ。日本語で、『きも?になんとか』って、言うわよね。」
聞いていた祖父が、
「肝に銘ずる、だろ?」
と、博学を披露した。
優しさについて、俺は、自分の未熟さを感じずにはいられなかった。
自分のもつ『優しさ』、そして祖母の言った『優しさの使い方』、流石に人生を重ねてきた人の言うことは、深い!