こんな男に誰がした!
「私は、浩輝さんが好きなんです。なぜ私じゃだめなんですか?私ならあなただけを見て、あなただけにつくすのに。あんな人が婚約者なんて……」
「それ、どういう意味?」
「浩輝さん、知らないんですか?あの婚約者さん、他にいい感じの人いるみたいですよ。浩輝さんと言う人がいるのに。」
俺は、全くの初耳で、何と言ったらいいか、言葉が出なかった。
「浩輝さん、知らなかったの?なら、確かめてみたらいいわ。」
もちろんそうするさ、君に言われなくてもね。
俺は、早く村越真由から離れたかった。彼女は、俺に負の感情ばかり与えてくる女だと思った。
「兎に角、俺は、君と、どうにかなりたいとは思っていない。俺は、俺の愛する人と結婚をする。でも、君では絶対にない。では、失礼!」
と言うと、俺は、エレベーターを呼んで、その場を去った。
数日後、俺宛に封書が送られてきた。
中には、写真が2枚と便箋が1枚。
1枚は、エレベーターの中でキスをしている俺と村越真由。
もう1枚は、弥生が男の腕を組んで楽しそうに歩いている。しかし、弥生の顔はこちらを向いているからわかるが、男が誰かはわからない。
そして、1枚の便箋には、
【同じ写真を婚約者さんにも送りました。
あなたを守りたいから。】