こんな男に誰がした!
「和兄さんが、浩輝がフランスに行っているとき、寂しいだろうと、食事に誘ってくれて、二人でレストランに向かうところ。」
「本当だ。よく見ると、和仁さんに背格好がそっくりだ。」
「これで、お互いに誤解が解けたわね。」
「そうだね。」
「きっとこれからも、また同じようなことがおきるだろうけど、絶対に相手の挑発に乗らずに、二人で話して解決しような。」
「うん、わかった。きっと1回や2回じゃなく、何回も起きそうだけど、二人で理解し合いましょう。」
弥生の真っ直ぐな考え方に、俺は、自分の情けなさを痛感した。
いつも、弥生の清廉さ、潔さを、凄いと思うし、見習いたいとも思う。
弥生を選んだ俺は、これから自分を一層磨いていけるんじゃないか!
俺は、フランスでもやって行けそうな気持ちになり、目の前が開けてくるような気がしてきた。
それにしても、村越真由のやり方は、許せないことだ。弥生は、そのうちに、遣り返しそうだ。
しかし、村越のやったことで、俺たちの信頼関係が深まったのは、有難いことだとも思う。