悪役の私
4-1
私は、優を諦めることを諦めた。
やっぱり、彼女より優先して?なんて言えないし、私のことだけ見て、なんて言えない。
だけど私は今、誰よりもなによりも優が好きなんだ。
例え、優は彼女の方が好きだったとしても。
私に向けて笑ってくれるその笑顔が本物ならそれでいい。
優との写真を1人で見返していると、自然と涙が溢れる。
この涙がなんなのかはわからない。
とりあえず、この人が愛おしい。
画面に映る優にそっとキスをする。
ねえ、優。
私のところに来なくていいから
そばにいてくれませんか?
愛してくれませんか?