悪役の私




私が泣くたびに潤は笑っていた。




せっかくの最上階からの夜景が、涙でぼやける。




♪〜♪〜〜〜




「あっ、潤の好きな曲だね」



ふと流れたBGMに耳を傾ける私たち。




「愛している」




という歌詞が流れた瞬間、潤が突然下を向く。




「どうし…っ」




私は目を見開いた。




そこには今まで3年間一度も見たことがない、潤の泣き顔があったからだ。






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