悪役の私
5-1
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「ねぇ、優」
「どうしたの??」
今は2人きりで車の中にいる。
私は、この車に何回乗っただろう。
ここは私の中ではもう特別な場所。
優はいつも通り優しい顔をして私の返事を待つ。
「来月の15日にしよ」
「…?…なにが??」
「私たちのこの関係は、15日までにしよう?」
「えっ…?」
「私、前に進みたいの。」
「どういうこと?」
「優を諦めたいから…。もし私と一緒にいたいって思ってくれるなら、彼女と別れてほしいの。」
「……。」
「無理に別れてほしいなんて言いたくないし、思ってない。けど…。優が別れないっていう決断をしたなら私は諦めてちゃんと前を向きたい。」