悪役の私
2-2
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「遠くに行きたい」
「えっ???」
私の突然の発言に驚く優。
優との家デートから2ヶ月程経った今、近場のファミレスにて、2人でご飯を食べている。
「今の私達は近場すぎて誰に見られてるかわからないし堂々と一緒にいれないじゃん」
「んーそれは確かに」
「遠くだったら誰も知らないからなんでも出来るじゃん」
「…駆け落ち、ですか?」
「そこまではさすがに無理だけどさあ!」
「俺も、勇気ない…」
…私達に今すぐ全てを捨ててまで一緒にいたいと思えるほどの強さは、相変わらずない。
お互いきっと今だけだろうとわかっているから、だから何も気にしなくていいところに行きたい。
少しだけ、夢を見たい。