あなたへ
ねえ、いっぱいいっぱい優しくしてくれてありがとう。
介護に疲れて、辛くあたってしまって、ゴメンね。
中1の私は反抗期真っ盛りで、じいちゃんのコトちゃんと思ってあげられなかった。
・・・ゴメンね。
今、あのときの後悔を忘れないように。
介護や、看護の仕事に就きたいと思っているよ。
・・・・あの日、反抗さえしなければ。
じいちゃんと、ケンカしたままサヨナラは無かった。
少なくとも、涙でいっぱいのサヨナラでは無かった。
“今まで、頑張ったね・・・。ゆっくりおやすみ・・・”
そう、言えるようになっていたかったのに・・・・。
・・・・ねえ、間に合わなくてゴメン。
病院まで、走っていけば良かった。
父さんなんか、待たないで。
20㌔くらい、一人で走っていけば、
最期くらい、間に合ったかも。
“ごめんね、ありがとう”
たったそれだけが、もう今となっては
永遠に言えない言葉となって、鉛のように重くのしかかっている。
ねえ、ゴメン。
・・・有り難う。