もう一度出会えたら
店内は落ち着いた雰囲気のダイニングバーで、お酒も食べ物も種類が豊富だ。
金曜の夜という事もあり、BOX席は全て埋まっていた。
カウンターのL字型のところに2人づつ斜めに向かい合う形で座った。
奥から悟くん、沙羅、私、涼くんの順に。
悟くんがみんなのお酒をオーダーしてくれて、カウンターの中でバーテンダーのお兄さんがお酒を作り始める。
涼くんたちの前にはタンブラーに注がれた生ビール。
私の前には相変わらずの甘いカシスオレンジが置かれた。
4人で乾杯をして一口飲み、グラスの中のグラデーションを眺めていたら
『さっきの話ですけど…思い出したんですか?僕の事』
彼が探るような目を向け聞いてきた。
「う、うん。ごめんなさい。でも思い出したっていうのとは正確に言えば少し違って…沙羅に聞いたの。後輩だってこと。それで思い出して。でも涼くんに限らず後輩の男の子とはあんまり話した事もなかったから、覚えていない人の方が多くて…。本当に失礼な態度をとってごめんなさい。それと、あの日の事も…」
その先は言いにくいけど今言わなきゃもう謝れない気がした。
だけど私が続きを言う前に、彼がその先を口にした。
『あの日って、あの夜の事?』
金曜の夜という事もあり、BOX席は全て埋まっていた。
カウンターのL字型のところに2人づつ斜めに向かい合う形で座った。
奥から悟くん、沙羅、私、涼くんの順に。
悟くんがみんなのお酒をオーダーしてくれて、カウンターの中でバーテンダーのお兄さんがお酒を作り始める。
涼くんたちの前にはタンブラーに注がれた生ビール。
私の前には相変わらずの甘いカシスオレンジが置かれた。
4人で乾杯をして一口飲み、グラスの中のグラデーションを眺めていたら
『さっきの話ですけど…思い出したんですか?僕の事』
彼が探るような目を向け聞いてきた。
「う、うん。ごめんなさい。でも思い出したっていうのとは正確に言えば少し違って…沙羅に聞いたの。後輩だってこと。それで思い出して。でも涼くんに限らず後輩の男の子とはあんまり話した事もなかったから、覚えていない人の方が多くて…。本当に失礼な態度をとってごめんなさい。それと、あの日の事も…」
その先は言いにくいけど今言わなきゃもう謝れない気がした。
だけど私が続きを言う前に、彼がその先を口にした。
『あの日って、あの夜の事?』