もう一度出会えたら
少しずつ呼吸が整ってきた時、彼と至近距離で目が合った。


彼は私の額にキスを落とし、優しく微笑むと私から離れた。


恥ずかしくてベッドの中で彼に背を向け動けずにいると


後ろからギュッと抱きしめられた。


事が済んでしまった今、一気に現実に引き戻された気がして


彼の顔をまともに見られない…。


こんなふしだらな私、自分じゃないみたいでどうしていいのか分からない。


また泣いてしまいそう………


こんな恥ずかしい自分を見られてしまったからか…


それとも、彼に愛されているかのような錯覚を起こしてしまったからか…


たぶん、その両方だろう。だけど最後に望んだのは自分自身なんだから。
< 126 / 221 >

この作品をシェア

pagetop