もう一度出会えたら
1Fに到着してエレベーターを降り、駅まで同じ方向の大翔と一緒に歩く。


会社のロビーやエントランスホールには帰宅する女子社員の姿も多く何人かの


女子が大翔を遠巻きに見て何かを言っている声が聞こえてきた…。


『で、どこで友達と待ち合わせてんの?』


「駅前のカフェで待ってるってさっきLINEが入ってた」


『じゃあ、その友達に直接謝っていい?』


「え、いいよ。そんな事しなくて。」


って断ったのに諦めてくれないから仕方なく好きにさせる事にした。


店内に入り沙羅を探すと、窓際の一番奥の席から小さく手を振る沙羅を発見。


『お疲れ、菜々』


「ごめんね。遅くなって」


沙羅は私の後ろにいた大翔に気づくと?マークを浮かべ私を見る。


「あのね、こちら同期の山口大翔くん。今日の遅刻は自分のせいだから沙羅に直接謝るって言って聞かないから仕方なく連れてきたの。」


そう紹介すると大翔が沙羅に向かって


『って事ですみませんでした。それだけ言いたかったんです。』
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