もう一度出会えたら
沙羅とは電話やLINEで連絡は取っていたけど会うのはあの夜以来だった。


沙羅からはあの夜の後、悟くんから告白をされて付き合うことになったとは聞いていたけど、私と涼くんとの事はまだ言えていなかった。


電話で話すよりも、直接会って話したいと思ったから。


沙羅は1杯目は生ビール。私はスパークリングワインで乾杯をした。


沙羅が豪快にジョッキを傾けビールを喉に流し込む。


『ハー美味しい!』


そう言った沙羅の上唇の上には白い泡ヒゲが付いている。


その泡を舌でペロリと舐めた沙羅。


美人なのに変に気取らない沙羅のこんな所が好きだったりする。


悟くんと沙羅はまだ付き合ったばかりだし、週末はしばらく会えないだろうと思っていたけど今日は悟くんは大阪出張で最終の新幹線で帰ってくるからそのまま今夜は彼の家にお泊まりに行くらしい。


親友を取られてしまった多少の寂しさは感じるけど、沙羅が幸せならそれが一番嬉しい。
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