もう一度出会えたら

それから彼は念のため事前に買ってきていたらしい手土産を持って実家に


来てくれた。と言うよりもバレた母からの強制的連行に近いものがあった


けど…彼を連れて帰った時の母の反応は


『………あら〜予想以上の男前やわ。』


と言って最初からテンションが上がりまくりだった。そのおかげか近所で抱き


合っていた事に関してのお咎めは一切無かった。父には黙っていてくれたのか、


突然の訪問に驚いてはいたが嫌な顔をする事はなかった。逆に私の一人暮らし


を心配していた父は、彼がいる事で少しは安心してくれたようだった。


彼の人柄も理解してくれたのか、二人とも彼の事を信頼し気に入ってくれた。


それがとても嬉しかった。


翌日には、ハルちゃん家族とヒロム君も彼女を連れて帰って来た。


彼は今日東京に戻りますと両親に伝えたけれど、せっかく家族みんなが揃うの


だからもう一日泊まっていけばいいと言う、うちの両親のゴリ押し！？に負け


て結局滞在を一日伸ばす事になった。実家でヒロム君に再会した彼は“お兄さん


だったのか…よかった…” と何故だかとても安心したような嬉しそうな顔をして


いた。ヒロム君も最初は、なんでここにあの時の男がいるんだ！？みたいに彼に


対して敵対心を向けていたけど、彼女に諭され渋々私と彼の事を認めてくれた。