もう一度出会えたら
それに、あの日もサークルの飲み会だったから。


もしかしたら同じサークルのメンバーかもしれない…とは思っていた。


唯一の救いは一夜の過ちとは言っても、あの日は服も下着もちゃんと着ていたし


本当の意味での過ちは犯していないと思う…と信じている。


それまでは記憶がなくなるほど無茶な飲み方なんてした事なかったのに


あの頃の私は先輩と別れた直後……失恋したばかりだった。


『先週も私が菜々を送ってくつもりだったんだけど、菜々も涼くんから離れようとしないし……最後は同じ方向の自分が送るって言ってくれたから彼に任せたの。泥酔してる菜々の事を世話係のように面倒見てくれてたし私もつい甘えちゃって…ゴメンね。』


沙羅の話に冷や汗が出てくる。


「え…私が離れなかった?」


恐る恐る聞いてみる。


『うーん、まぁ正直に言えばかなり酔ってたからね…だけど吐いたりとかはしてないからそこは安心して。』


苦笑いを浮かべている親友の言葉に安心出来るはずもなく、私の顔は益々青くなっていく。


話を聞いても、その部分は全く思出せなくて…自分が思っていた以上に彼に醜態を晒していた事が分かる。
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