もう一度出会えたら
その彼の名前は聞かなくてもわかる気がした。何よりその日だったから…。


翌朝、起きた時の私は何も覚えていなくて…相手の顔も見ないまま飛び出したんだ。


『それでその彼が…涼くんだったって事。って言うか、私も今思い出してびっくりしてる…。もっと早く思い出せてたらよかったんだけど。でもやっぱり接点あったね。だから彼は菜々のこと覚えてたんだよ。アハハ、彼にとっては忘れられない衝撃の夜になったんだろうな。』


やっぱり…名前を聞いた瞬間、そう思った。


そして、コンビニで沙羅だと思っていた相手も彼で


極め付けは、あの日の朝の彼も涼くんである事は間違い無いと思う。


同じ人に2度も同じ無礼を働いたなんて………


「どうしよう……私、昔も今も彼に迷惑かけてる。しかも昔のことなんて全く覚えてなかったし。」


『昔、迷惑をかけた事に関しては、記憶も飛んでるし仕方ないよ。
菜々が悪いと思うなら、忘れてた私も同罪だし。』


「沙羅は何も悪くないよ…。自分が悪いんだから。」


考えれば考えるほど私って最低な女だ……
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