もう一度出会えたら
だから彼は病院で会った時に
“自分で思い出してください”って言ったんだ。
彼に初めましてなんて言ってしまった自分をグーで殴ってやりたい。
「しかも、この前の朝だって彼に見つかる前に帰ったって言ったでしょう。
飛び出した時は気が動転してて相手が誰なのか何があったのかも全く思い出せなくて、逃げる事しか考えてなかった。
だから沙羅の電話で相手が誰だったかを思い出して、引き返そうとしたらあの人を見ちゃったってわけ…」
『そうだったんだ……。でも気が動転しちゃった菜々の気持ちも分かるよ』
「でも彼には迷惑かけたことには変わらないから」
『確かに彼にとっては災難な事もあったかもしれないけど…
でもさ、涼くんの方は覚えてたんだから本当に迷惑で嫌だと感じてたら放っておくんじゃないかな。あえて関わらないでしょ。彼の性格だったら余計にそうすると思う。だけど、この前もあの当時も自分から進んで面倒見てくれてるって感じだったよ。』
「とにかく過去の事も含めて彼にはちゃんと謝罪しなきゃ。だけど…どんな形で謝るのが一番いいんだろう?」
その時、バイト君が私たちの前に料理を運んできてくれた。
『んーそれなら、もう一度体を差し出すとか?」
ブフォーー!!!
飲み込む寸前のカシスオレンジを口から吹き出してしまった。
“自分で思い出してください”って言ったんだ。
彼に初めましてなんて言ってしまった自分をグーで殴ってやりたい。
「しかも、この前の朝だって彼に見つかる前に帰ったって言ったでしょう。
飛び出した時は気が動転してて相手が誰なのか何があったのかも全く思い出せなくて、逃げる事しか考えてなかった。
だから沙羅の電話で相手が誰だったかを思い出して、引き返そうとしたらあの人を見ちゃったってわけ…」
『そうだったんだ……。でも気が動転しちゃった菜々の気持ちも分かるよ』
「でも彼には迷惑かけたことには変わらないから」
『確かに彼にとっては災難な事もあったかもしれないけど…
でもさ、涼くんの方は覚えてたんだから本当に迷惑で嫌だと感じてたら放っておくんじゃないかな。あえて関わらないでしょ。彼の性格だったら余計にそうすると思う。だけど、この前もあの当時も自分から進んで面倒見てくれてるって感じだったよ。』
「とにかく過去の事も含めて彼にはちゃんと謝罪しなきゃ。だけど…どんな形で謝るのが一番いいんだろう?」
その時、バイト君が私たちの前に料理を運んできてくれた。
『んーそれなら、もう一度体を差し出すとか?」
ブフォーー!!!
飲み込む寸前のカシスオレンジを口から吹き出してしまった。