私の小さなヒーロー
それから、手分けして料理を取りに行く。

圭吾は、雄飛と一緒にステーキやパスタを。

お義父さんはドリンクを。

父はお寿司を。

母とお義母さんは、ポテトやコロッケ・エビマヨに天ぷらなどのおかずを。

それらがテーブルに揃うと、「すごいご馳走だね、ママ」と、圭吾が嬉しそうに言う。

「そうだね。まだデザートもあるから、たくさん食べようね。圭吾は何から食べる?」

「ぼく、お肉とスパゲッティ!」

私はお皿にステーキとパスタを取り、圭吾の前に置いた。

圭吾が両手を合わせ「いただきます」と言い、フォークを持ったその時。

グラグラっと、下から突き上げるような震動が。

「地震だ!」と、誰かが叫んだ。

すぐにパニックになると思ったが。
さすが、大手ホテルだ。

「お客様、落ち着いてください。
揺れが収まるまで、テーブルの下に隠れてください。
ただいま、事務所の方で地震の状況について確認しております。
こちらから指示があるまで、どうかしっかり隠れてください」

従業員の落ち着いた対応に、周りはすぐに指示に従った。

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