私の小さなヒーロー
雄飛は、最初のときに私を守れなかったことを後悔しているみたいで、それ以来、『女性を守るのが男の役目』、『くるみのことは、俺が守る』と言うのが口癖になった。
そして、それが圭吾にも受け継がれている。


「お客様、お待たせいたしました。
地震が落ち着いたようですので、テーブルの下から出てきていただいて結構です。ただし、まだ小さな揺れがございますので、十分に御注意ください。
また、大きな揺れが発生いたしましたら、従業員の指示に従っていただきたく思います。

なお、お食事の時間を15分ほど延長いたしますので、ごゆっくりお楽しみください」

揺れが落ち着いて、やっと食事を再開させる。

すると、
「失礼いたします。ステーキとパスタ、温かいものと交換いたします。
どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」

そう言って、ステーキとパスタが温かいものと交換された。
こういう気遣いが、このスターツホテルが世界でも認められている証なんたろう。

突然の地震というアクシデントはあったけれど、おいしいランチを食べられ、圭吾の優しい男らしさを見ることが出来て、素敵な時間を過ごすことが出来た。




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