君は私の人生の、輝く太陽。
次の日、お母さんとお父さんが朝から来てくれた。
「おはよう涼香。」
お母さんは微笑んで、話しかけてくれる。
まだうまく話せない私の言葉を一生懸命聞いてくれる。
「お、かさん。遥香、は?」
私の言葉に、2人の表情が曇る。
「遥香は・・・、っ遥香はね────」
「遥香は、亡くなった。」
お母さんの言葉を、お父さんが遮った。
ボロボロと涙をこぼすお母さん。
瞳に薄い涙の膜を貼っているお父さん。
でも、そんなふたりの表情よりもお父さんの言葉が、私の頭の中を埋め尽くしていた。
お父さんが言ったことは本当のこと?
嘘でしょう?
だって、一緒にぶつかったじゃない。
それに、さっきから私のことを2人は涼香って呼ぶ。
なんで、どうして?
だって、"遥香"はここにいるのに。
私は涼香じゃない。
遥香だよ?
「・・・あのね、あなた達を見分けられる人がいなくて。それでね、2人が持っていたバックから、遥香と涼香を確認したのよ。」
────え?
待ってよ。
つまり、バックを取り間違えたから、私は涼香になってしまったの?
全く同じバック。
ついているキーホルダーも同じ。
あの日、コンビニで、同じ椅子に2つのバックを置いた。
急いでいて確認なんてしなかった。
私はここにいるのに、"遥香"は死んだことになっている?
私は遥香なのに、涼香にならなければならないの?
なんで・・・。
誰か気づいてよ。
「遥香が、双子の姉が死んで辛いのはわかるわ。でもね、涼香は生きているから。だから、遥香の分まで生きて・・・。」
そう言ったお母さんは、今まで見たことないくらい泣いていた。
そんなお母さんの隣で、お父さんも涙を流していた。