君は私の人生の、輝く太陽。
おばあちゃんのお味噌汁。
おばあちゃんの肉じゃが。
全てが私を安心させる。
なにも話さなくても、居心地がいい。
「・・・あのね、おばあちゃん」
いつもそうだ。
おばあちゃんといると、なんでも話せる。
「・・・なんだい?なんでも話してごらん」
おばあちゃんは、ふふっと上品に笑った。
「おばあちゃん・・・」
目の淵に、涙が出る溜まっていく。
「・・・あのね、学校、行きたくないの。」
おばあちゃんはなにも言わずに話を聞いてくれる。
「誰もね、私を見てくれないの。」
ポロポロと涙がこぼれていく。
「直斗しか、私に気づいてくれないの。お母さんも、お父さんも、私に気づいてくれないの。」
きっと、おばあちゃんにはなにを言っているのかわからないだろう。
それでも、私の本当の気持ちを、聞いて欲しかった。
「・・・寂しい。辛いよ。みんなの中に、私はいないの・・・!」
「・・・頑張ったね。」
おばあちゃんは一言だけ言って、私を抱き寄せた。
「おばあちゃんっ・・・!」
涙がボロボロとこぼれていく。
冷え固まっていた心が溶けていく。
「・・・涼香ちゃん。ここに住むかい?」
「え・・・?」
おばあちゃんの言葉に固まる。
「学校も転校すればいい。こっちに住んで、新しい学校に行けばいい。ばあちゃんが保護者になるから。」
おばあちゃんの優しさが胸に染みていく。
もうヒビが入っていた、壊れかけていた心が元に戻っていく。
「恵美達にはばあちゃんから言っといてあげる。こっちにおいで?無理することはない。」
「おばあちゃんっ!・・・っ私、ここに住みたい!もう、戻りたくないのっ・・・!」
おばあちゃんは頭を優しく撫でてくれる。
「・・・今日はもう寝ようか。涼香も疲れただろう?久しぶりにばあちゃんと寝ようね。」
こんなに優しくしてくれたのに、"涼香"と呼ばれて傷ついている私がいる。
おばあちゃんの言葉で明らかに表情が曇った私。
そんな私に、おばあちゃんはどうしたのかと尋ねてきた。
おばあちゃんになら、言ってもいいのかな。
おばあちゃんなら・・・。
「あのね、おばあちゃん。」