君は私の人生の、輝く太陽。
***
「行ってきまーす!」
「いってらっしゃい。」
いつもより少し早く家を出て、学校に向かう。
おばあちゃんは笑顔で見送ってくれた。
その笑顔を見ただけで、元気になれた。
大丈夫だと思えた。
電車に乗って、中学校に向かう。
中学校側には、私がおばあちゃんの家に住むことになったことを伝えてあるらしい。
先生方に話を合わせるようにとおばあちゃんに言われた。
「涼香!大丈夫なの!?」
「莉心!大丈夫だよー!」
学校に着く前に、莉心ちゃんが声をかけてきた。
「退院早々熱出すって、涼香らしいわ!」
そう言って、莉心ちゃんは笑った。
ねぇ、涼香らしいってなに?
私は涼香じゃないのに、涼香らしいんだ?
意味わかんない。
「・・・涼香?」
「っなに?」
突然莉心ちゃんに話しかけられて、ドキッとする。
「・・・ううん。なんでもない!」
そう言って、莉心ちゃんは笑った。
学校の正門の目の前で、反対側から来る直斗の姿が見えた。
「・・・あっ、直斗君じゃん!涼香行ってきなよ!今日から一緒に来れなくなって悲しいんでしょ?」
莉心ちゃんの言った言葉の意味がわからない。
どういうこと?
「なんで・・・?」
「なんでって、涼香が言ったんじゃん!直斗君のことが好きだって。」
・・・は?
なにそれ。
そんなの初めて知った。
涼香は直斗のことが好きだったの?
全然分からなかったよ。
全然、気づかなかった。
「・・・う、うん!そうだね!」
言葉につまる。
だって、私は直斗が好きじゃない。
もちろん友達としては好きだけど。
私は涼香だから、直斗が好きじゃないとダメなのかな?
それとも、遥香の、本当の私の気持ちでいいの?
私はどうすればいいんだろう────。