君は私の人生の、輝く太陽。
教室のドアを開ける。
いつも通り、騒がしい教室だ。
なぜか、その教室に安心感を覚えた。
「りーこ!」
窓の外を見ながらぼーっとしている莉心に声をかけた。
出来るだけ明るく。
私が笑っていればそれでいい。
みんなが傷つかなければいい。
私は傷ついたっていいんだ。
だって"私"は死んだのだから。
「・・・っ涼香!戻ってきたの?」
「うん!さっき戻ってきたよー!何見てたの?」
私の声に驚いて、私を見た莉心。
「・・・空を見てたんだ。」
「・・・空?」
莉心の思いがけない言葉。
なんで空?
「・・・死んだ人ってさ、天国に行くじゃん?だから、空見てると、会えるんじゃないかっていつも考えちゃうんだよね。・・・遥香ちゃんに会いたいなって。」
「っ・・・!」
"遥香"という名前に過剰に反応してしまう。
莉心ちゃんは、私に会いたいの?
私も、遥香として会いたいよ。
「・・・ごめんね!こんな話して!1番辛いのは涼香なのに!」
莉心ちゃんは困った顔をした。
こんな顔をさせてるのは私。
私の気持ちが表情に出ていたのかな。
「そんなことないよー!全然大丈夫!」
私は笑えばいいの。
「涼香・・・」
私を見て、莉心ちゃんも笑ってくれる。
みんなはなにも知らずに笑っていてくれればいいんだよ。
私が偽るの。
私が、これから先ずっと、涼香になればいいから。
私が涼香になって、真実を塗り替える。
それでいいんだ。
でもやっぱり辛いよ。
苦しいよ・・・。
~アロエ「苦痛」~