君は私の人生の、輝く太陽。





「・・・か、り・・・か、・・・涼香!」






「・・・っごめん、なに?」





莉心ちゃんに名前を呼ばれて、慌てて返事をする。






そんな私に、莉心ちゃんは心配そうな目線を向ける。





「なんでもない!・・・ていうか、涼香最近ぼーっとしすぎ!授業終わってるよ?」





莉心ちゃんに言われて、周りを見れば、クラスメート達は帰る準備をしていた。






教卓に先生の姿はない。





黒板に書かれていたはずの文字たちは、消されていた。





「・・・うそっ!?まだ写してないのに!」





莉心ちゃんが頭を抑えながら、わかりやすくため息をこぼした。





「まったく・・・。しょうがないから、私のノート貸してあげる!」





そう言って、莉心ちゃんはこぼれるような笑顔を見せた。





「ほんとっ!?莉心ありがとー!マジ感謝!」





つられて私も笑顔になる。





「明日には返してよ?」





莉心ちゃんは私にノートを渡した。





「ありがとっ!」





私もそのノートを受け取る。





その後HRを行い、クラスメート達は一斉に教室から出ていく。





私は莉心ちゃんの席に向かった。





おばあちゃんの家に住み始めてから、登下校は莉心ちゃんと一緒だ。





「りーこ!帰ろー?」





「うん!帰ろ!」





莉心ちゃんと駅の方向に向かう。





莉心ちゃんの家は、駅の近くだ。





「・・・莉心、また明日ね!」





私は莉心ちゃんと別れる。





────いや、別れようとした。





「・・・っ涼香!」






切羽詰まったような声で私の名前を呼んだ。






「どうしたの?」





私は、そんな莉心ちゃんが心配になる。





「これから、遊ぼ?・・・近くでさ、お金いらないところで。一回家に帰ってから。・・・いい?」






莉心ちゃんの瞳は、不安そうに揺れていた。





「・・・うん、わかった!じゃあ準備したらここね!」





私たちは、それぞれの家へと歩き出す。





さっきの莉心ちゃんの表情を見て、なにかあったのかと心配になった。






そんな顔をさせてるのは誰?





・・・私かもしれない。






そう思うだけで、胸が苦しいんだ。
< 31 / 101 >

この作品をシェア

pagetop