君は私の人生の、輝く太陽。
「・・・か、り・・・か、・・・涼香!」
「・・・っごめん、なに?」
莉心ちゃんに名前を呼ばれて、慌てて返事をする。
そんな私に、莉心ちゃんは心配そうな目線を向ける。
「なんでもない!・・・ていうか、涼香最近ぼーっとしすぎ!授業終わってるよ?」
莉心ちゃんに言われて、周りを見れば、クラスメート達は帰る準備をしていた。
教卓に先生の姿はない。
黒板に書かれていたはずの文字たちは、消されていた。
「・・・うそっ!?まだ写してないのに!」
莉心ちゃんが頭を抑えながら、わかりやすくため息をこぼした。
「まったく・・・。しょうがないから、私のノート貸してあげる!」
そう言って、莉心ちゃんはこぼれるような笑顔を見せた。
「ほんとっ!?莉心ありがとー!マジ感謝!」
つられて私も笑顔になる。
「明日には返してよ?」
莉心ちゃんは私にノートを渡した。
「ありがとっ!」
私もそのノートを受け取る。
その後HRを行い、クラスメート達は一斉に教室から出ていく。
私は莉心ちゃんの席に向かった。
おばあちゃんの家に住み始めてから、登下校は莉心ちゃんと一緒だ。
「りーこ!帰ろー?」
「うん!帰ろ!」
莉心ちゃんと駅の方向に向かう。
莉心ちゃんの家は、駅の近くだ。
「・・・莉心、また明日ね!」
私は莉心ちゃんと別れる。
────いや、別れようとした。
「・・・っ涼香!」
切羽詰まったような声で私の名前を呼んだ。
「どうしたの?」
私は、そんな莉心ちゃんが心配になる。
「これから、遊ぼ?・・・近くでさ、お金いらないところで。一回家に帰ってから。・・・いい?」
莉心ちゃんの瞳は、不安そうに揺れていた。
「・・・うん、わかった!じゃあ準備したらここね!」
私たちは、それぞれの家へと歩き出す。
さっきの莉心ちゃんの表情を見て、なにかあったのかと心配になった。
そんな顔をさせてるのは誰?
・・・私かもしれない。
そう思うだけで、胸が苦しいんだ。