君は私の人生の、輝く太陽。
「莉心ー!」
私たちは駅で合流した。
「莉心、どこで遊ぶ?」
莉心ちゃんはぼーっとしていて反応しない。
「莉心?りーこ!」
おーい、なんて言いながら莉心ちゃんの顔の前で手を振ってみる。
「・・・っごめん!どこに行こっか?」
はっとして、莉心ちゃんは私のことを見た。
「んー・・・、どうしよっか?」
なかなか決まらない。
かれこれ10分は悩んでいる。
「・・・カラオケは?」
「いーね!そうしよ!」
莉心ちゃんの提案に、私は思いっきり頷いた。
近くのカラオケに入る。
私たちは7時までしか入れないから、あと2時間半だ。
歌って、歌って、歌って。
2人で笑い合う。
時計の針が6時半を指した時だった。
「あと30分か〜」
私の声を聞いて、莉心ちゃんの表情が曇った。
私のせい?
なんで、そんな顔するの?
私は、笑っていてほしい。
みんなに笑っていてほしい。
みんなが笑っていてくれるなら、私は我慢する。
私が辛くたって、苦しくたってかまわない。
みんなが笑ってくれるなら。
ねえ、莉心ちゃん。
"みんな"の中には莉心ちゃんだっているんだよ?
お母さんとお父さんも、おばあちゃんも、直斗も、莉心ちゃんも、先輩も。
クラスメートたちだって。
"みんな"なんだよ。
みんなには笑っていてほしいのに。
最近の莉心ちゃんは、ぼーっとすることが多くて。
表情が曇ることもよくある。
どうして?
「・・・莉心?どうしたの?」
私の声に、ハッとした。
そして、少し下がっていた目線を、私に合わせた。
莉心ちゃんの瞳は、不安そうに揺れていた。
「・・・涼香」
消え入りそうな声。
その声は部屋にポトンと落とされて、消えた。
「なに・・・?」