君は私の人生の、輝く太陽。
いつも通りの学校。
いつも通りのみんな。
そしていつも通りの私。
日常はあまり変わらない。
そんな変わらない日常に────玲先輩が"私"に気づいてくれない日常が嫌だった。
「涼香ちゃん・・・」
突然声をかけられて振り返る。
そこには先輩がいた。
今は、3時間目と4時間目の間。
10分休憩の時間。
私は教室から美術室へと向かっていた。
廊下の片隅で、私と先輩の視線が絡む。
「・・・やっぱり、俺じゃダメ?」
そう言った先輩は、悲しそうにハの字にした。
「・・・すいません。」
私は頭を少し下げる。
私はら先輩がいいのに。
でも、"私"の気持ちは伝えちゃいけないから。
"私"の気持ちはなかったことにしないといけないから。
「・・・遥香ちゃんが、俺のこと好きだったなら。涼香ちゃんも好きになってくれると思ったんだ」
先輩、なんですかそれ・・・?
私と涼香がいつも同じ感情を持っているわけじゃない。
例え顔が似てても、学力も、身長も、運動神経がほとんど同じでも、私たちは違う人間だ。
当然感情だって違う。
それなのに、なんで同じみたいなこと言うの。
先輩はそんなふうに思って、私に話しかけてたの?
「・・・ならないですよ。私と遥香は違う人間なんです。当然、感情だって違います。」
泣きそうで、声が震える。
涙を堪えて、声を出す。
「・・・私、行かなきゃいけないんで。じゃあ・・・」
私は美術室に向かって歩き出す。
ねぇ、先輩。
────好きです。