君は私の人生の、輝く太陽。
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「おはよー!昨日のテレビ見た?」
「見た見た!あの人めっちゃカッコイイよね!」
「それな!わかる!」
学校や教室で繰り広げられる会話は、涼香が死ぬ前となにも変わらない。
チラッと歩きながら私の教室を見ると、私の席はもう無くなっていた。
1番"私"と仲が良かった愛梨(アイリ)でさえも、"私"の話なんて一言も話していない。
まるで、最初から私の存在がなかったかのように。
「愛梨ー!今日遥香の家行く?今日で丁度4ヶ月じゃん?」
"私"の話に足が止まる。
そんな私を気に留める人なんて誰もいない。
「えー・・・。めんどくさー!行かなくて良くない?」
「だよねー!もういないんだし!・・・てゆーか、そんなヤツいたっけ?って感じ!」
「わかる!」
そう言って愛梨は笑った。
周りにいた人もきゃらきゃらと笑った。
ねぇ、なんでそんな事言うの?
仮にも同じ学校に、隣のクラスに、双子の妹がいるって分かってるのに。
それなのになんでそんなこと言えるの?
「だいたいさー、私そこまで遥香のこと好きじゃなかったんだよねー。なんだっけ・・・。あー涼香・・・だっけ?そのこの方が好きー」
なにそれ。
あんなに一緒にいて『そこまで好きじゃない』?
名前すら忘れかけていた涼香の方が好き?
「それな!私も思ってたー!」
また笑う愛梨達。
私って、好かれてなかったんだ。
そりゃ、全員に好かれていたとは思わないし、そんなこと思えない。
でも、愛梨は私のことを嫌っていないと思ってた。
それなのに、愛梨の気持ちをこんな形で知るなんて。
涙が溢れて、こぼれそうになる。
それをなんとか堪えて、早足で教室に向かった。