君は私の人生の、輝く太陽。
「・・・聞いたでしょ?私、嫌われてるみたい。」
私の声はひどくかすれていた。
ポロポロと瞳から涙が溢れていく。
私は掴まれている彼の手を振り払って、振り向いた。
「・・・っ本当は直斗だってそう思ってんじゃないの!?幼なじみだから、可愛そうだからって、同情してるだけなんでしょ!?」
言葉が止まらない。
涙と一緒に溢れて落ちていく。
「直斗だって本当は、私のこと嫌いなんじゃないの?無理しなくていいよ、もう。」
私の声は、小さくて。
でも、誰もいない廊下では、充分だった。
「・・・俺は、そんなこと思ってねぇ!」
悲しそうに、悔しそうに、そう言った直斗。
「俺は、2人のこと嫌いなんて思ったことねぇ!そんなこと思ってたら、2人のこと見分けらんねぇよ!」
いつもより口調が悪い直斗。
もしかして怒ってる?
怒ることなんかあった?
「でも・・・」
溢れた涙は止まらない。
瞳から溢れた涙は廊下に吸い込まれるように落ちていく。
突然直斗は私の頭に手を乗せた。
びっくりして、目を見開く。
俯いている私には直斗の表情が分からない。
「世界中が遥香を嫌っても、俺だけは遥香を好きでいる。」
その言葉は私の心の中にストンと落ちた。
一瞬止まった涙が、またとめどなく溢れる。
さっきまでとは違う涙。
嬉しくて、嬉しくて。
「例え遥香が世界中を敵に回しても、俺だけは味方でいる。」
直斗の言葉は真っ直ぐで。
俯いていても、直斗が真剣な表情をしているんだと分かる。
「だから、遥香は遥香のままでいい。無理して涼香になるな。」
直斗は私が無理していることに気づいてた。
直斗にはなんでもお見通しなんだ。
「っなんでそんなこと言うの・・・。そんなの、分かんないじゃんかぁ・・・っ!」
直斗が、私の言葉を聞いて、ふっと笑った。
それに少しムッとして、顔を上げる。
直斗は、優しそうに笑っていた。
「そんなの、遥香が好きだからだよ。」
「っ・・・」
胸が高鳴る。
先輩とすれ違った時と同じように。
私はいつも逃げてばっかりで。
直斗はこんなにも真っ直ぐに想ってくれていたのに。
なんで直斗の気持ちからも逃げていたんだろう。
私が一番向き合わなくちゃいけなかったのに。
顔が異常なくらい熱くって。
自分でも信じられない。
だってこの前まで、先輩が好きだったのに。
なんで直斗にこんな反応してるんだろう。
なんで、なんて分かりきっているけれど。
でもこの胸の高鳴りも、顔の火照りも。
この気持ちを認めざるを得ない。
私は、きっと直斗のことが。
────────────好きなんだ。
~白色のツツジ「片想い」~